もうひとりの僕(童話2)

ぼくはひどい ぜんそくだ。

いつも大切なときに発作になる。

だから、大好きな友だちと公園であそぶときや遠足のときに発作がでてしまう。

そして、いけなくなる。

とっても悲しい。

外は晴れていて、公園から楽しそうな声がきこえる。

窓の下にイスをおいて、のぞいてみる。

みんな走り回っている。

なわとびなんかもしている。

ぼくも思いっきり外であそんでみたい。

いけなかった遠足にもいってみたい。

そう思いながら寝る日々がつづいた。


ある日、お母さんが誕生日プレゼントに絵をくれた。

ぼくがあんまり外に出てあそべないから、外の景色が描かれた絵にしてくれた。

その絵は、ジャングルの中に入り込んだように暑い国の植物がたくさんあった。

そして、ド派手な鳥。

こんなところが本当にあるのだろうか。

窓のよこにその絵をかざってもらった。

そして、その日は眠りについた。


ジャングルの中にぼくがいる。

あそべなかった大好きな友だちと大きなぼうしをかぶって たんけんしている。

体にまきついてきそうな植物。

変な匂いのする花。

植物から雨が流れ落ちてくる。

湿度100%かな。

暑くて汗をかくけれど、ぜんそくはでてこない。

夢の中にいるような気分だ。

ド派手な鳥を追いかけたりしている。

もう少しで、その鳥にさわれるってところで目がさめた。

ほんとうに夢だった。

でもとてもたのしい夢だった。



今日は学校を休んだ。

運動会の総練習の日、ぜんそくがでてしまった。

家でふとんに寝ながらうとうとした。

母さんにもらった絵をぼんやりながめながらねむりについた。

ここはどこだろう。

すごい遊具がある。

まるで宇宙のよう。

家の前の公園を何倍も大きくしたような大きさで、大好きな友だちと思いっきり遊んでいる。

どでかいすべり台をなんどもすべった。

ブランコもやったし、タイヤの遊具でもあそんだ。

いつもは思いっきり走れないのに、今日は走っているみたい。

でも、ぜんそくはでてこない。

じゅうりょく体験できるシーソーに乗ってあははと笑っていると、ふっと体が軽くなった。

その瞬間に目がさめた。


夕方になっていた。

そうだ今日は学校を休んで寝ていたのだった。

大好きな友だちが宿題を届けてくれていた。

明日はなんとか学校へいこう。

それにしても不思議なたいけんをした。

誕生日にもらった絵を見ながら眠ると、楽しい世界にいけるみたい。

今日の夜は早めに寝よう。

お昼寝したから、眠れないかもしれないけれど。

心配をよそに、夜は夜でねむくなってきた。

うとうと。

宿題はやったし、明日はゆっくり学校へいこう。

そんなことを考えながら眠っていった。



今日の世界はどこだろう。

大きなキノコがある。

キノコの下をくぐり抜けながら、歩んでいくと

ふかふかの苔の町になった。

ぼくの体よりでかいカタツムリが横切っていく。

もしかして、ぼくの体はちいさくなってる?

あわてて、上を見上げるとキノコで空がみえない。

どうやらぼくの体は小さくなってキノコの世界にきているようだ。

ふかふかの苔はほどよく水をふくんでいて最高だった。

小さなキノコをもって帰って母さんにみせてあげようっとキノコに手をのばしたところで目がさめた。


次の日は学校へいった。

いつもは勉強についていくのに必死なぼく。

その日は元気だった。

体育もこなせた。

家に帰ったらゆっくり休もう。

そう考えながら6時間みっちり学校で過ごした。


家に帰ると母さんは仕事にいっていて、いなかった。

静まり返る部屋。

リビングに2枚の絵があった。

1枚は宇宙のような公園の絵。

2枚めはキノコの写真のような絵だった。

どこかでみたような。。。

なんだか昨日見た夢にそっくりだった。


母さんが帰ってきた。

ぼくへのプレゼントを買っていておそくなったらしい。

そのプレゼントは絵の具セットとキャンバスだった。

これに絵をかいて部屋にかざりたいってことらしい。

ぼくは休みの日に好きな絵をかいた。

花をかいてみたり、ピエロをかいてみたり。

想像してかくのはすごく楽しかった。

1枚の絵ができあがった。

大きな階段がいくつもある家にすむピエロの絵にした。

ピエロは花が好きで、家のかべには花の絵をかいた。

そして、いろいろなところに本当の花もある絵にした。

あとは絵の具が乾くのを待って、母さんにプレゼントした。

母さんはとてもよろこんで、玄関にその絵をかざってくれた。

その日の夜は学校で疲れていたのか、すぐに眠れた。


らせん階段のような、とぐろをまいた階段のある家。

あちこちにお花がある家にピエロが住んでいる。

ピエロの帽子の上には花。

この家に招待されたぼくは、特殊なくつをはいて、かろやかに階段を登っている。

ピエロのお家はとっても楽しくて、おいしいお菓子ももらったりした。

夕方には、また来るねと言って、かろやかに階段をおりていく。

そんなところで目が覚めた。

玄関に飛んでいってぼくの絵を眺めた。

さっきの夢はどうもこの絵の中の世界だ。

ぼくは絵の中に入る夢をみるらしい。

また、絵をかこうとおもった。

次はどこへ行きたいのだろう。

見たこともない世界をかきたい。