学生時代に始めて食べたノビル(野蒜)の話。
ノビルという植物は知らなかったが、ビニルハウスの周りに大量に生えているそれを教えてくれた友だちがいた。
これは食べられるよってことで収穫してくれた。
見た目は小さな玉ねぎだった。
指先ほどの大きさである。
そこから玉ねぎのようなネギのような刺激臭がする。
食べられそうな匂いだけれども、刺激がありそうな。。。
恐る恐る一粒をラーメンに入れて食べた。
茹でられたノビルは少々匂いがましになるものの、やはり刺激的な味であった。
たくさん食べるとお腹を壊しそうに思えたので、その他のノビルは鉢植えにそっと植えておいた。
数年後、忘れたころに鉢いっぱいに細い線上の葉。
一粒収穫してみると、痩せているもののノビルであった。
あの時の香りがぐっと戻ってくる。
粒が小さいので食べずにそっと鉢に戻しておいた。
鉢の上で増えているノビル。すごい生命力を感じたノビル。
これが私とノビルの初めての出会いである。
学生時代はなんとか終了し、忘れていたノビル。
数年前から、我が家では何故かノビルが出てくる鉢がある。
毒がある植物だと怖いので、誰もを食べないが、これはノビルの香りである。
春には元気一杯にノビルで鉢が一杯になる。
始めて出会った頃の鉢のノビルを思い出す。
あの鉢はもうない。
しかし、いつの間にか忍び込んだノビル。。。
購入した植物の土についてきたのか、鳥が運んだのか。
植物の偉大な生命力を感じる。
初めてノビルに出会ってから20年近く経っているが不思議なめぐり合わせ。
そんなにたくさんの植物を育てていないが、いつの間にか側にいるノビル。
ノビルは思い出の野草である。