いちごのつぶやき

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蚕の話

解雇の話しではなく蚕(カイコ)の話し。

虫の苦手な方は駄目かもしれませのでお気をつけください。



小さかった頃、母親が私に蚕の飼育キットを買ってみようかと聞いてきた。

蚕って幼虫だよね?

そうそう。

桑の葉しか食べない虫で、その無視が絹を作るんだと。

絹、聞いたことがある。

高級なものにつかわれている絹。

肌触りがいい絹だな。

ええっ?

虫がつくるの????

目が点になる。

虫が作るって、、、鶴の恩返しでもないだろうし。。。

想像ができない。


ということで蚕の飼育キット「絹糸を作ろう!」的なものを買うことになった。

その頃はネット販売もなく、新聞の宣伝広告か何かをみてハガキで申し込み。

郵送で蚕と蚕が育つのに必要な桑の葉と蚕が蛹になるための部屋と説明書などが送られてきた。


蚕は白い白い幼虫であった。

マットな白色というのでしょうか、つや消しというのでしょうか、その白がなんとも言えない気持ち。

かわいいとも違うし、失礼だけど気持ち悪い。

早速、桑の葉をあげる。

30匹ほどいた幼虫は一心不乱に桑の葉を食べだす。

生きるってすごいことだ。

桑の葉しか食べないのに、絹を本当に作るのか。

まだ半信半疑。

説明書には繭が絹になるとある。

しかしイマイチ想像できない。


手に幼虫を乗せてみる。

足というのだろうか、その吸盤のような、ころっとした足先がなんともくすぐったい。

あまり人の手に乗せててもかわいそうというか、なんだか気持ち悪くてそっと葉に戻す。

そんな毎日を1週間ほど繰り返しただろうか。

うんちが巣箱にあふれてきた。

でもなんだか愛着も湧いてきた。

体も確実に大きくなっている幼虫さん。

毎日桑の葉を食べまくり、頑張って生きている。

もう気持ち悪さはなくなってきていた。


10日程経過しただろうか。

ついに餌を食べない幼虫、餌の食べ方が鈍い幼虫がでてきた。

それまで毎日毎日桑の葉をあげていたものの、なんだか不安になる。

死んでしまうのでは?

説明書には食べなくなると繭を作るとある。

ついに絹糸のための繭ができるのか。

慌てて繭室なるものをあわてて組み立てる。

3センチ角ほどの部屋が30ほど

横から見るとダンボールでできた団地のようだ。

桑の葉を食べなくなった幼虫が団地に這い上がって行くではないか!

それも口から吐く細い細い糸を駆使しながら、落ちないように落ちないように登っていく。

すごい能力、生命の営み。


ついに、どの蚕も餌を食べなくなった。

食べなくなると頭を少し持ち上げて振る動作をする。

これが糸を出す合図なのかもしれない。

大量にあった桑の葉も2週間ほどで残り少なくなっていた。

これで糸の準備というか蛹になる準備が整ったのだろう。


どの幼虫も団地に這い上がっていく。

こちらが心配していた部屋の競合も一切なく、一部屋一部屋うまく収まっている。

そして、早く団地にたどり着いたものはうっすら繭の部屋ができ始めている。

あぁ、この形が繭。

この繭は見たことがあった。

この口から繰り出される糸が絹になるのだ。


遅いものは足場を固めつつ、自分の体のまわりを糸で隠すように。

一生懸命、糸を口から出して頭をあちこち運びならが繭を作る。

真っ白できれいな繭がひとつふたつとできていく。

幼虫の姿は繭に収まり見えなくなる。

繭の大きさからして小さくなっている。

体を酷使して繭になった。

幼虫から蛹になっているのだろう。

ここ過程は繭の中なので見えない。

数日後、繭の中が静かになり、たまにゴトッと動く程度になる。


そして、7日後くらいだろうか、ついに繭を切ってみることになった。

この瞬間が一番怖かった。

カッターナイフで繭の端を切ろうとすると。。。。

ガサっと音がして、羽化しようとしているカイコがいた。


ゴソゴソでてきた蛾(蚕)は黄みがかかったような、灰色のような色で、粉を吹いたような羽と胴体、衝撃的だった。

あの幼虫がこうも変化するのか!!!!!!

モスラだ!モスラの白だ!

ゆっくりゆっくり繭から出てくるとじっとしている。

その後、羽をばたつかせて動き回った。。。

繭を切って羽化させることを何個か繰り返したが、繭の数は30程。

全部の繭を切って羽化させる気力はなかった。


繭を汚さないように数個確保し満足した。

それは美しい白で、幼虫の白も納得できた。


そして、残りの繭は団地内に放置してした。

ここからが悲劇というと駄目なのかもしれないが、またしても衝撃的だった。

数日後、一斉に繭から浮かしてきた蚕が飛び回りだした。

重い体を引きずるように大群がバタバタしている。

宙に浮くことはなく、這いずり回るように飛ぶ。

そして、羽化してきた蚕と交尾を繰り返している。

尿のような黄色い液体も飛ばしている。

バタバタ交尾をしつつ、産卵も。

飼育マットは卵だらけになった。

1mmくらいの卵があふれていた。

その後は卵は孵えしては駄目とのことで、お亡くなりなったと記憶している。

また、産卵、羽化後の蚕もお亡くなりになり、さよならした。


生命のすごさと、蚕のすごさに圧倒されつつも、よい経験をさせてもらえたと思っている。

あの飼育経験はずっと記憶にある。

10年以上経過が、大学時代に蚕に桑の葉をやることになるとは知らずに。

完。



自由研究になやんだら蚕の飼育をしてみませんか。

気温が関係するようなので夏休み前に飼育し、まとめておくと夏休みは宿題が終わっている状態になると思います。

夏休みには思いっきり遊んだり、旅に出たりできますよ。