先日ニュースの特集でひきこもりをどう解決するかが取り上げられていました。
その特集はひきこもっている人を家族が外部の会社にお願いして、家から出してもらうというものでした。
その家から出す方法が手荒いということで問題になっており、ひきこもっていた人が不快に感じたり、訴えを起こすというものでした。
家から出した後に、会社が行った引きこもり人のケアも問題にしていました。
この方法がいいか悪いか、今後どうするべきかについて、コメンテーターから様々な意見が出されていました。
5080問題。
50歳代の息子や娘がひきこもり、80代の親が50代の子供の面倒を見るという問題。
ひきこもりという言葉はいつから使われるようになったのか定かではないですが、もう他人事の言葉ではないように思います。
その特集内容は、ひきこもりのことで悩んだことがある自分にとって、とても考えさせられるものでした。
以下は自分の側で起こったことです。
間近で経験した「ひきこもり」になるきっかけは仕事にいけなくなることでした。
仕事に行けるには行けるのですが、30分で行き着くところが2時間もかかってしまうのです。
片道2時間、往復すれば4時間を通勤に使ってしまえば、8時間働くと、とんでもない時間になりました。
これはすごいストレスとなるはずです。
そして、徐々に仕事に向かう足が重くなり、行けなくなり、ついには仕事をやめてしまったのです。
その後、働きたい気持ちがあるため、面接を受けるもなかなか働けそうなところが見つからないままでした。
もちろん面接に行くのも数時間かかるので、それだけで疲れてしまいます。
会社側から断られる回数も増えました。
そこで、身近にいる人がそのいつもと異なる動き、変化に気づいて病院を勧めたのです。
しかし、当人は病気じゃないと言い張ります。
なぜなら、痛いところはないし、ちゃんと歩ける、買い物できる、会話できる、食べれるというのです。
確かにそうです。
でも、いつものあなたじゃないよと伝えるも病院には行きませんでした。
ずっと家にいることが多くなり、外にでるのは歩いて数分のスーパーに行くことと月1回程度出かけるのみになりました。
しまいにはお金もなくなり、月1回もでかけられなくなりました。
こうなると近くにいる人は異変に気づきますが、どう接していいのか、どうすれば脱出できるのかわかりません。
大人を無理に車に載せて、病院まで運ぶことができないのです。
自分の意思で行くことがいかに大切か痛感しました。
わらをもすがる思いで、病院に話に行きました。
現状を話して、対策を聞こうとしたのです。
そうすると、先生は本人を診察しないと病名は判断できないといわれました。
先生が言われるのも納得です。人を診ずに判断するのは難しいし無理があるのでしょう。
医者のルールとしてあるということも説明されました。
仕方ないので、成功例と放置した場合の具体例を聞いて帰ってきました。
成功例は、ひきこもり当人に一人暮らしをすすめることでした。
悪化していなければ、一人暮らしができるはずとのアドバイスでした。
一人暮らしをすることで、今一番自分がしなければいけないことが見えてくるとのことでした。
しかし、この提案にはお金がかかります。
また、仕事に4倍の時間をかけて通勤していた人を一人にさせるのには不安もあります。
なかなか前に進まない話となってしまいました。
放置した場合は、近くの人間関係の崩壊が起こるとのことでした。
実際、すでに近くの人間関係は悪化していましたので、身にしみた言葉でした。
どう悪化したかというと、病院をすすめるか否か、お金をどれぐらい渡すか、一人暮らしはどうかなど、意見の食い違いが至るところで勃発したのです。
何もしない日々、何もできない日々が続きました。
それは数日とか数カ月という短いものではなく年単位で伸びてしまいました。
その間、何も変わらないどころか、悪化していく一方でした。
公共施設に電話して、助けを求めてみたりもしましたが、私の利用したところは本人を連れてきてくださいの一点張りでした。
別のお助けダイヤルでは、本人に電話するように伝えてくださいというものでした。
やはりここでも本人が動かないと解決しないことがわかりました。
悩んでいても月日が過ぎ去るばかりなので、一歩でも外に出やすい環境を作ろうと考えました。
無理に出るのは悪化を招く一方だろうと感じていたので、本人が好きなことをするために外に行く時間を増やすという感じにしました。
それは、レストランに誘ったり、ダーツに誘ったりしました。
他にも、カラオケ、バッティングセンター、フィットネス、スキー、旅行、水族館、散歩、ドライブ、買い物、食べ歩き、本屋などあれこれ誘いました。
しかし、数回は行くものの、どれも嫌だとなってきました。
ただ一つだけ行きたいところがありました。
それはカラオケです。
カラオケならいつでも行きたいとなったのです。
必死に時間を作ってカラオケに一緒に足を運びました。
快適なボックスを探したり、最新の機種を探したり、アニメの歌を開拓したり、どんどんカラオケにハマっていきました。
歌える曲数もうなぎのぼりに増えていき、一人カラオケに行けるようになり、数回は友達とも行けるまでになりました。
カラオケ前に買い物したり、食事もセットで行ったりする日も出てきています。
この脱出が正解かどうかは今のところわかりません。
しかし、外に出るという一歩が良い流れではないかと感じています。
まだまだゴールは見えませんが、このいい流れを止めないように、ゆっくりと脱出というか普段を取り戻したいです。
無理のない程度に支え合って歩んでいけたらいいと思っています。
ひきこもりの辛さが少しでも減っていれば、これ以上はありません。