当て逃げされた時のこと

とある喫茶店の駐車場で当て逃げされた。

真夏の暑い暑い真っ昼間。

はえらい教授の先生と対面で打ち合わせをお願いしていたので、車で喫茶店へ。

茶店の駐車場に着いて車を止めようとしていた時のこと。

すでに駐車していた赤のボルボが急に動き出した。

後ろを見てない様子。。。やばい?やばいぞ?もしかして、おい?

頭から突っ込んで駐車していた赤のボルボは、みるみるうちにバックしてきて、、、、

私の車にあっという間に激突。

ぐしゃーーーーーんんん。

私は車を止めようとしている最中で、クラクションも鳴らせず。

あぁぁぁぁ、すごい衝撃。。。。もしかして、自分、浮いた?

一瞬ぼぉーーーーっとして、何が起こったか把握するのに時間が過ぎて。

それから慌てて車から降りると、なんと!!!!!

赤のボルボはそのまま喫茶店の駐車場を走り去っていく。

近くにいた人が追いかけてくれている。

えぇぇぇぇ!!!!

逃げるのかァァァァ。。。。

私も追いかけた。

でも、あっという間に走り去った車。

見れたのは4桁のナンバー。

そして、同じく車を追ってくれた方も4桁のナンバーを確認。

そして、放心状態の私に警察を呼ぶように促してくれた。

そうだ、警察だ!警察に見つけてもらおう!

慌てて警察に電話。

すぐにバイクで警察官が到着。

私の車をあれこれ確認。

そして、私の体が大丈夫かどうかの確認。

また、逃げた車が分かったら連絡するとのことで、管轄の警察の番号も教えていただいた。

そして警察とさよなら。


その日は、えらい先生と打ち合わせをした。

もちろん30分程先生に待っていただき、警察とのやり取りが終わってからである。

もう何を話しても頭に入ってこない。

先程の衝撃、私の車の凹み、気持ちの凹み、逃げていく車の姿。

こんなことになるとは。。。。

先生との打ち合わせも終了し、一人になる。

急に悲しさがこみ上げてくる。

車はかなりの凹み方。

保険屋に、車屋にあれこれやることやった。

仕方ない。

体が大丈夫だったのだから良しとしようと思えたのはだいぶ後のことだ。

そして、たくさんの人と話すと、いろんなことが分かった。

当て逃げの犯人はほぼ見つからない。

まずは病院に行くべきだった。そうすると人身事故になるからとも。

ナンバーは写真でおさえること。

などなど、多くの人が交通事故、当て逃げに関して意見を言ってくれた。

でも、あの時はあれで精一杯であり、正直であったのだ。


何週間経っても、当てた人は見つからなかった。

教えてもらった警察にこちらから何度か電話した。

どうですか?わかりそうですかと。

しかし、駄目なようであった。

そのナンバーと車種は登録されていないと。

いつまでも大きく凹んだ車で走りたくなかったので、修理をすることにした。

車屋さん曰く、車の保険を使うと等級が下がるとかで、実費で修理した。

お金は少し飛んでいったが、車も元に戻り、体もなんともなかった。

だからもう終わったということにした。


でも、いろんなことを考えた。

あの時、病院に行っていれば、何か体に異常があったのだろうか。

そして、体に異常があれが、当て逃げした人の見つかる確率はあがったのだろうか。

そして、修理代は払わなくてよくなったのだろうか。

私の軽自動車は大きく凹んだが、ボルボは強い車。

だから、ボルボは修理せずに乗れるだろうと教えてくれた人もいた。

大きく凹んでいなければ、どこかでかすったぐらいに見えて違和感なく過ごせたのかもしれない。


あの時の赤いボルボくんへ。

今も元気ですか?

今日も日本のどこかで走っていますか?

ボルボは強くて、でかい車。

まだまだ廃車はされていないはず。

あなたは事故車ではないということで別の人の手に渡っていませんか?

心の傷は癒えましたか?あるいは心のしこりはありますか?

ボルボが何台も並べられた車屋の前を通る度に、私は赤のボルボを見てしまう。

あの時のボルボのような気がして。


人の大切なものを壊してしまった時、その人の真の中身を知ることになる。

自戒も込めて。