あの日は仕事が忙しくて、イライラしていた。
よりによって大雨の中での仕事で疲れ果てていた。
今思い出せば、忙しい時は皆が大変なとき。
そして、雨はイライラに関係ないはず。
そのイライラが一緒にいるスタッフに伝染していった。
そこに、どーんと現れた会社のえらい人。
疲れている私のところにやってきた。
それに気づかず、仕事をやっつける自分。
やっと終わったと一息ついて、えらい人の存在に気づいた。
そして、ねぎらいの言葉をもらい、えらい人と休憩。
缶コーヒーを片手に、えらい人は「働きアリ」の話を始めた。
働きアリはすべてのアリがしっかり働いている訳ではない。
2割のアリが一生懸命働いている。
そして、そのよく働く2割が8割の食料の大半を調達している。
残りのアリ6割は、ときどきサボるがまぁ普通に働くアリ。
さらに残ったアリ2割はサボっていて、ほとんど働かないアリ。
アリの世界はこういう構造になっていると。
さらに、トップで働くアリ2割が去ってしまうと、普通に働いていたアリ6割のうちから、よく働くアリの2割が出現する。
よって、よく働くアリ2、普通のアリ6、働かないアリ2の構造は変わらないということらしい。
この話、なんとなく聞いたことはあったが、自分の会社に当てはめたことはなかった。
仕事で疲れ果てた自分のところへやってきた普段は話すこともない、えらい人が直々に話すということは?
これはどういうことなのか?
自分はトップのアリなのか?
冷静に考えてもトップのアリではない、普通に働いている6割のアリだと思いたいが。
時が流れる度に、アリの話を思い出すことが多くなっている。
できる人(トップのアリ)がやめた時、組織は壊れない。
きっと働きアリの法則が生かされたのだろう。
駄目だったアリが出世したとき、別の誰かがやる気をなくした。
これもきっと働きアリの法則だろう。
そして、いつも感じるのは、トップの2割はよく仕事をやめて独立するということ。
トップのアリは組織にいても、おもしろくないのかもしれない。
もっと自分の可能性を信じて進んでいくのだろう。
組織から卒業しても、活き活きしている人が多い。
どこに行ってもトップの2割になるのかもしれない。
この2:6:2の法則
たまに自分が属する組織に当てはめてみる。
人は変化している。
働いてみたり、休んでみたり、サボってみたり。
働かないアリが増えすぎると組織が大きく傾く。
そして、大きなテコ入れがあり、組織が立て直されていく。
普通に働く6割が組織の雰囲気を大いに作っている。
働かない2割によって、組織が評価されることもある。
よく働くアリ2割が新しい風を吹き込み、その他のアリを変えていくこともある。
4月からは新しい風が吹くだろう。
人事に期待している。