自然をいただく スグリ

スグリが職場に一株だけあった。


新入社員だったころ、先輩社員がスグリの場所を教えてくれた。

なんと仕事の途中でスグリを食べることになるとは思わなかった。

スグリって言葉を聞いたことはあったけれども、スグリがこの目の前にある実と同じものかどうかは知らなかった。


スグリってとっても美味しいよってことで進められるままに一粒。。。

これはなんと酸っぱい。。。鳥も食べないのでは。。。顔が歪んでしまうほどだ。

その後、スグリはほんのり赤く色づいていたが食べることはなかった。

しかし、スグリは間もなく、何者かに食べられた。

鳥なのか、たぬきなのかは不明だが、実だけが確実になくなっていた。

野生ではおいしい果実なのだろうと思い知った。



それから数年間スグリは健在だった。

その後、先輩社員が仕事をやめることになった。

将来を期待されていたであろう社員がやめてしまった。

なんとなく先輩社員がいなくなった春、スグリのあった場所にいってみた。

小さくなってしまったスグリ、近くにあるナンキンハゼに負けそうになりながら生きていた。

しかし、実はほとんどできていなかった。

そして、さらに数年後スグリはすべてなくなってしまった。

自然の多い職場で一株だけあったスグリが姿を消した。

その後スグリに出会うことはなかった。


スグリも個体によって味が違うのだろうか。

スグリはどこに生えているのだろうか。

次の一粒に挑戦したいような、したくないような。

久々にスグリに出会いたいのである。